機動捜査用覆面カムリ

機動捜査用覆面カムリ

2021年4月5日 

警察車両のハイブリッド化が進みました。令和2年度に購入した機動捜査用車の詳細が判明しました。それによれば,購入した車はトヨタのカムリでした。

カムリはどんな車?

カムリは,どちらかというと海外が主眼に開発された車で北米ではバカ売れの人気の車です。 日本では2.5Lのハイブリッドのみとなっていますが,海外では3.5L V6のエンジン車も販売されています。

ちなみにどのくらい人気かというとグーグルマップのストリートビューで北米の主要都市の道路を適当に見ていると新旧あるもののどこかでカムリに出くわしま す。

その他,レクサスESと兄弟車でフレームはカムリとESは共用です。


4月1日閲覧 https://www.edmunds.com/most-popular-cars/
全米で6番目の人気を誇っている

車両の幅もアメリカサイズでクラウンが1,800㎜に対しカムリは1,840㎜と車幅が大きいです。全長はクラウンが4,910㎜に対しカムリは4,885㎜とやや短いで す。これはエンジンがクラウンが後輪駆動なのに対しカムリは前輪駆動でエンジンの配置の差からです。


写真は市販車(Gレザーパッケージ)

カムリは,生産販売を終了したマークXの後継車としても位置付けられています。

カムリの市販車の値段

カムリは,最上位からWS,Gレザーパッケージ,G,Xとあり,カタログの税込み価格は下記のとおりです。いずれも2.5Lハイブリッドです。

WS 2WD 4,450,000円
Gレザーパッケージ 2WD 4,334,000円
G 2WD 3,728,000円
X 2WD 3,456,000円

機動捜査用車とは?

機動捜査用車とは,各都道府県警察に設置された機動捜査隊で使用される覆面で,事件が発生した初動捜査で一早く現場に駆け付け,現場保存や目撃者の確保に務 め,その後,管轄する警察署や本部の捜査員に事件を引き継ぐことが主な役割で,一早く駆け付けるために覆面には排気量が大きい車が採用されます。

上記の通り機動捜査隊は一早く現場に駆け付けることを任務といしていることから,普段の平穏時に街中をうろつく不審者への職質,交通違反の取締り は行いません。そんなことしてたら事件が発生したときに一早く駆け付けることができません。

歴代の機動捜査用車

スカイライン

ティアナ

その他,画像がないですがマークXが歴代の機動捜査用車として採用されていました。

機動捜査用車カムリ

今回,カムリが覆面になった何が珍しいかというと,2,500㏄級の警察庁(国)が購入する車両にハイブリット車が導入されたのは,今回が初ではないかと思いま す(すべてをウォッチしているわけではないので確かでなないですが)。

もう少しこれまでの流れをみると,前述の歴代の捜査用車で「採用された」という記述は実は正しくなく,警察庁が調達する際に仕様書があり,「2,500㏄以 上」と の記載があったことから入札に参加する自動車メーカーが自社の製品のなかで適合する車から値段を算出して応札していました。

エンジン車が少なくなる中,マークXの後継としてのカムリ,そして,仕様書でハイブリットを否定してないので今回の導入になったものです。

正確にはカムリはエンジン車もあるのですが,あくまで海外向けなのでそれを覆面のために日本仕様にして形 式認定をするようなことは無理があります。

付け加えておくと北米のエンジン車のカムリは,北米の工場で生産されています。

仕様書 2WD

機動捜査用車カムリの値段

捜査用車カムリの値段ですが,装備は,

1.警察無線機を積めるようにすること

2.脱着式の赤色灯が載せれるようにルーフに小さいボルトのような物を付ける

3.サイレンを鳴らすためのサイレンアンプを付けること

4.指定車にはドライブレコーダーを取り付けること

5.カーナビ

6.ETC車載器

7.足マット

機動捜査用車は,クラウンパトカーのように専用型式が設定されている正式名称をクラウンパトロールカーといいますが,そうしたものではなく市販車の改造で す。

ベースとなったグレードは廉価のXです。これは製作図面承認申請書に型式(6AA-AXVH70-AEDB)と掲載されています。

他の上位のグレードと異なる点は

・アルミホイールではなくホイールキャップ

・タイヤサイズも215/55R17以上のタイヤが上位クラスなのに対し,205/65R16とやや細いタイヤ

・ハンドルは,上位が本革巻き+ピアノブラック+メッキ架飾に対しウレタン+メッキ架飾

・夜間の室内のイルミネーションや充電用USBが無い

がおもな上位クラスとの違いになります。

その他,車両の登録に係る諸費用も含まれています。愛知県警に確認しましたが,そうした費用の支払いを今回も過去にもしたことはないそうです。

また,2WDの他,山が多い地域や積雪多い地域向けに4WDがあります。

納車は,令和2年度はコロナの関係で例年より遅く,2月から3月にかけて行われており見かけるようになるのはこれからですね。

車種 台数 単価(税抜き) 合計金額(税込み)
2WD 21台 ドラレコなし 3,372,000円
ドラレコあり 3,406,000円
78,603,800円
4WD 30台 3,560,000円
寒冷地仕様 3,576,000円
117,568,000円
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機動捜査用車 2WD 製作図面承認申請書

機動捜査用車 4WD 製作図面承認申請書

配分表 2WD,4WD