新型クラウンパトカー交通取締用四輪車(2型)の値段

新型クラウンパトカー交通取締用四輪車(2型)の値段

2012年10月26日 

発表された新型クラウン(市販車)は、こちらのページをご覧ください。

すっかり巷に定着した「クラウンパトカーの値段」シリーズですが、今回は、クラウンパトカーでも交通違反の取締りをメインに行う”交通取締用四輪車”を取り上げます。

”無線警ら車”は、事件現場へ駆けつけたり、不審者に職務質問をしたりと多様な任務を負い街中で見かけることも多いですが、交通取締用四輪車は、交通違反の取締りがメインで、高速道路上での交通事故の対応や違反取締り、一般道では雨天や夜間の交通違反の取締りが主な職務となり、これに使われるパトカーの警察庁での正式名称が「交通取締用四輪車」と呼ばれています。

二人乗り、ヘルメット不着用の原付が白バイに検挙されたところ

殊に一般道では、昼間は白バイによる交通違反の取締りがメインで行なわれているため、交通取締用四輪車を街中で見かけることが殆どなく、無線警ら車との外観の違いも少ないためちょっとマイナーな存在かもしれませんね。


上が交通取締用四輪車、下が無線警ら車

■ 無線警ら車と交通取締用四輪車の違い

そこで、無線警ら車と交通取締用四輪車の違いですが、まず、エンジンが異なります。交通取締四輪車は、警察庁の仕様書によれば3,000cc以上のエンジンを積むことが納入業者に義務付けられており、無線警ら車の2,500ccよりも大きいエンジンを積んでいます。

次に外観ですが、赤色灯、正式名称を「散光式警光灯」といいますが、無線警ら車は、この警光灯が停車時に上昇させて、パトカーが停止していることを遠くからも視認しやすくする装置を屋根に積んでいるのに対し、交通取締用四輪車は、速度重視のためか警光灯のみでスマートな外観となっています。


200系交通取締用四輪車ら車のタイヤ

タイヤも今回の200系クラウンパトカーからですが、無線警ら車と交通取締用四輪車でタイヤのサイズが異なります。

無線警ら車のタイヤは、”215/60R16”ですが、トヨタ自動車が警察庁に提出した諸元表によれば、交通取締用四輪車は”215/55R17”で、無線警ら車よりスポーティーなタイヤになっています。とはいうものの警察庁の仕様書によるものではなく、納入業者のトヨタ自動車が市販車の仕様を流用した形にしたようです。


■ 交通取締用四輪車の値段

そこで気になるお値段です。無線警ら車は3,507,000円(税抜き)でした。散光式警光灯は無線警ら車と同様の小糸製作所製のものですが、昇降機がありません。そして、エンジンは3,000ccです。型式はDBA-GRS202-AETRHとなっており、市販車の3,000ccのDBA-GRS202-AETUH(AETQH)とは異なります。ちなみに市販車は、4,361,905円(税抜き)です。さて、お値段ですが、しかし、経緯が少し複雑です。

入札は、平成22年12月16日に交通取締用四輪車253台を調達するとの公告がされ、翌年の平成23年2月8日に(無線警ら車と同日)入札が実施されトヨタ自動車のみが参加しました。680,582,500円(6億8千582万500円)の金額で入札しましたが、警察庁が決めていた最低価格(非公開)より価格が高く落札に至りませんでした。

無線警ら車(2WD)も同様に最低価格より高く入札に至りませんでしたが、随意契約のかたちで契約しました。

しかし、交通取締用四輪車は随意契約せず、別の日に再度、入札を募ることとしました。そこで登場したのが交通取締用四輪車(2型)です。

交通取締用四輪車(2型)253台は、平成23年3月7日に公告され、平成23年4月28日に入札が実施されトヨタ自動車のみが参加しました。

4回の入札の実施で678,052,600円(6億7千805万2600円)で決定しました。

次に一台あたりのお値段です。単純に金額を台数で割ってもでません。契約書別紙に記載は次のとおりです。

品名
数量
単価
金額
交通取締用四輪車(2型) 120台
2,470,200円
296,424,000円
同上(雪よけカバー付き) 27台
2,486,200円
67,127,400円
同上(特別防錆処理) 2台
2,544,200円
5,088,400円
同上(LED式表示装置) 72台
2,970,200円
213,854,400円
同上(LED式表示装置・雪よけカバー付き) 32台
2,986,200円
95,558,400円
小計
253台  
678,052,600円
消費税
   
33,902,630円
合計
    711,955,230円

LED式表示装置というのは、主に高速道路に配備される車両で後方車両に「速度違反」とか「スピード 落とせ」などの文字を表示する装置のことです。

各県の配分は、配分表によります。この配分表に基づき平成24年3月23日までに全国に納入されました。

その他、トヨタ自動車から制作図面承認図(一部)が警察庁に提出されています。

■ 交通取締用四輪車の写真

写真は、愛知県警第一交通機動隊にて許可を得て撮影しました。ご協力、ありがとうございました。

写真の交通取締用四輪車(2型)は、一般道路用なので、2,470,200円(税込み2,593,710円)です。

※ローマ数字の2は機種依存文字なので使用をひかえました。