平成22年度 200系クラウンパトカー入札公告から配備後まで

平成22年度 200系クラウンパトカー入札公告から配備後まで

2011年12月27日 

2011年12月27日 

2011年12月27日記事補足

2011年4月6日記事掲載

平成23年度「新型200系クラウンパトカーの値段」はこちら

■入札公告から製作開始まで

今回は、2011年(平成23年)3月中旬に配備された通称200系新型クラウンパトカーの入札公告から配備後までを追ってみました。

2010年(平成22年)8月30日に無線警ら車3台、無線警ら車(4WD)1台、交通取締用四輪車1台が一般競争入札によるとの入札公告が警察庁より公告されました。

この入札公告では、仕様は「入札説明書」に記載されていることになっていますが、詳細な『仕様書』が独立して存在し、納入場所についても「入札説明書による」とされていますが、『配分表』という文章に記載されています。

入札は、同年9月13日に行われトヨタ自動車のみが参加し無線警ら車3台および交通取締用四輪車は不調で落札に至りませんでしたが(後に随意契約されています)、無線警ら車(4WD)は、3,885,000円で落札しました。

その後、同年10月19日にトヨタ自動車より警察庁に対し『製作図面承認申請書』が提出され、同年10月21日に承認されました。

この『製作図面承認申請書』には、工程表が添付されており、それによれば、平成22年12月下旬からベース車両の組立て準備に入り、翌年1月上旬から中旬にかけてベース車両完成検査を経て、1月中旬から特殊部位架装改造に入り、社内検査を終了した後、2月上旬に官検が行われて入札公告に記載されている3月23日までに納入する予定になっています。

■性能

今回のクラウン・パトロールカーの形式は、「DBA-GRS201-AETRH」(4WD)です。ちなみに市販車4WDの型式は、「DBA-GRS201-AETQH」です。

諸元表によれば、エンジンは2,499cc、水冷・V型・6気筒・G、変速機は、自動前進6段・後退1段、変速機減速比4.300となっており、市販車の諸元表と同一でした。

内装は、クラウンロイヤルサルーンよりアスリートに近いものとなっています(室内の写真は警察装備品の関係で掲載できません。あしからず)。

■配備後

配分表にあるとおり無線警ら車(4WD)は、兵庫県に配分され佐用町の佐用署に配備されました。当サイトを訪れた方からの情報によれば3月18日ごろに目撃情報をいただいております。

兵庫県佐用町は、兵庫県の南西部に位置する町で人口19,000人、7200世帯余りの周りを自然豊かな山々に囲まれた町です。

自然豊かな佐用町ですが、2009年(平成21年)8月9日に台風9号の影響による豪雨で死者18人、行方不明者2人という尊い命が失われ、全壊家屋7戸、床上浸水約257戸、床下浸水約215戸という大災害が発生しました。

この災害では、佐用町の中心部を流れる佐用川が氾濫し佐用署も浸水しその際にパトカーも被害にあったそうです。佐用町では、一年以上経った現在でもその爪跡が残り、河川に流れ出て溜まった多量の土砂を取除く護岸工事が懸命に行われています。

今回、兵庫県警装備課によれば、この被災したパトカーを警察庁が保証するということで、一連の入札・契約が行われ佐用署に配備されたという経緯があり、私の推測ですが、納入台数が少ないことに伴い平成20年度等の大量導入の時と異なり今回の落札価格が高額であったということになるようです。

現在、佐用署にて佐用町の安全と安心を守るために第一線で活躍しております。

※警察庁の文章は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づき開示されたものです。
※写真は、許可を得て撮影しております。

【関連リンク】

兵庫県警佐用警察署
佐用町公式ホームページ

【編集後記】

今回は、警察庁から兵庫県警本部、佐用警察署まで多くの機関から多忙な中でのご協力をいただき、他のページには例のない大掛かりな記事となりました。そうした中での佐用町からの帰り道での明石海岸での光景です。海岸で何を拾っているのでしょうね?癒される光景でした。